源泉所得税納付相談

源泉所得税納付の流れ

事業主は毎月の給与~源泉所得税を天引きして、従業員の代わりに毎月税務署へ預かった所得税を納める必要があります。所得税を源泉徴収して国に治める義務のある人を源泉徴収義務者と言います。源泉徴収義務者となった人は下記の流れで源泉所得税を納めます。

(下記イメージ図)

原則
1 給与支払い事務所等の開設届
3 納付書を添えて国に納税
(毎月給与支払い月の翌月10日まで)
4 1〜12月分の年末調整
5 各期間に必要書類を提出
納期の特例を受けている人
1 給与支払い事務所等の開設届
2 申請書を提出
3 7月10日までに1〜6月分を納付
1月10日までに7〜12月分を納付
4 1〜12月分の年末調整
5 各期間に必要書類を提出

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

事業主が給与を支払うことになったとき又は、青色事業専従者給与を支払うことになった時には届出が必要です。給与を支払うことになった日から1か月以内に提出しなければなりません。

源泉所得税の納期の特例を受けるには

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄税務署へ提出する。原則として、提出した日の翌月に支払う給与から適用されます。

源泉所得税の計算

賞与以外の給料や賃金などを支払う際に源泉徴収をする税額は「給与所得の源泉徴収税額表」によって求めます。
この税額表には、月額表と日額表とがあります。 給与の支給区分に応じて使用する税額表が決められ、さらに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下「扶養控除等申告書」)の提出の有無に応じて税額表の適用する欄が違います。

例)給料が月払いで「扶養控除等申告書」を事業主に提出している人の場合

月額表の甲欄を適用して源泉徴収税額を求めます。

提出していない人の場合

月額表の乙欄を適用して源泉徴収税額を求めます。

なお、賞与に対する源泉徴収税額は、通常、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って求めますが、月額表を使って求める場合もあります。

年末調整

年末調整は、毎月の給料から源泉徴収した税額の年間の合計額と年税額を一致させる清算の手続きです。ほとんどの従業員はこの年末調整によって、その年の所得税の納税が完了することになります。年末調整は給与所得者にとって大切な手続きです。

年末調整の手順

①各種控除額の確認

  • 「扶養控除等(異動)申告書」の確認
  • 「基礎控除申告書、配偶者特別控除申告書、所得金額調整控除申告書」の確認
  • 「保険料控除申告書」の確認
  • 「住宅借入金当特別控除申告書」の確認

②年税額の計算

  • 給与と源泉徴収税額の集計
    給与所得控除後の給与額の計算・・・給与の合計金額から給与所得控除語の給与の額を求めます。給与所得控除後の給与の額は、「年末調整等の為の給与所得控除後の給与等の金額の表」を用いて求めます。
    課税給与所得金額の計算・・・給与所得控除後の給与の額から配偶者控除や扶養控除等の所得控除を差し引きます。
    年調年税額の計算・・・所得控除を差し引いた金額(1,000円未満切り捨て)に、所得税の税率をかけて税額を求めます。税率は「所得税の速算表」を使用します。年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合には、この控除額を税額から差し引きます。住宅借入金等特別控除額を沙しい引いた税額に102.1%をかけた税額(100円未満切り捨て)が、その人が1年間に治めるべき所得税及び復興特別所得税になります。

③納税の徴収、納付または還付

  • 源泉徴収を下所得税及び復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額より多い場合には、その差額の税額を還付します。少ない場合には、差額を徴収します。

源泉所得税関係書類の提出先

年末調整の際に作成した書類は、それぞれ下記の機関に提出します。

提出・発行先 書類 提出時期
従業員の居住する
市区町村
給与支払報告書
・総括表
・個人別明細書
支払いの確定した日の属する年の、翌年1月31日まで
事業所所在地の管轄税務署 法定調書合計表
源泉徴収票(税務署提出用)(※)
従業員 源泉徴収票(本人交付用)

※額面上の年間給与支払額が500万円を超える従業員、士業で年間給与支払額が250万円以上の方、または法人で額面上の年間給与支払額が150万円を超える役員のみ提出が必要です。

相談に必要なもの

源泉所得税上半期相談会(7月)

  • 当年(1月~6月分)及び前年分の個人別源泉徴収簿
  • 扶養控除等申告書
  • 給与の金額がわかるもの
  • 税務署からの配布書類(納付書等)

年末調整相談会(翌年1月)

  • 税務署からの配布書類(納付書・給与所得の源泉徴収票等の同合計表など)
  • 源泉所得税納付書の控え(1月~6月分)
  • 源泉徴収簿
  • 扶養控除等(扶養者の生年月日がわかるもの)
  • 基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除等申告書
  • 保険料控除申告書(生命保険・地震保険控除証明書)
  • 住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)
  • 住宅借入金の年末残高証明書(該当者のみ)
  • 給与所得者の国民健康保険料等の金額がわかる書類(該当者のみ)
  • 国民年金保険料控除証明書(国民年金加入者)
  • 途中雇用の方は前職の源泉徴収票(前職がある方のみ)