確定申告 所得税

確定申告について

減価償却や決算書の作成など、所得税や消費税の確定申告をするために必要な手続きの方法などお気軽にご相談ください。

所得税等の確定申告は、毎年1月1日~12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、申告期限(3月15日)までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きです。
富士吉田商工会議所では、個人事業主の方を対象に所得税の確定申告について相談・指導を行っております。減価償却費の計算や決算書・申告書の作成など、確定申告のサポートをいたしますので、お気軽にご相談くださいませ。

個人事業主の1年間の流れ

個人で事業を営む方は日々の記帳の他1年を通じ、必要に応じて税務署や各市町村等に書類を提出したり、税金を納めたりする必要があります。

事業の流れ 納税・提出関係
1  決算
前年の1月~12月までの売上や経費を整理して所得を計算
 1月20日まで
  • 7月~12月分源泉所得税納付期限(納期の特例を受けている人)
 1月31日まで
  • 前年分法定調書等を税務署に提出
  • 給与支払報告書・総括表を各市町村へ提出
  • 住民税 第4期 納付期限
  • 償却資産申告書を市町村へ提出
2  所得税・消費税の確定申告
2月16日~3月15日
 2月28日まで
  • 固定資産税 第4期 納付期限
3  所得税・消費税の確定申告
2月16日~3月15日
 3月15日まで
  • 所得税確定申告書・所得税関係届出書 提出期限
 3月31日まで
  • 消費税確定申告書提出期限
4  4月30日まで
  • 固定資産税 第1期 納付期限
5 労働保険料概算払請求
6  6月30日まで
  • 住民税 一括・第1期 納付期限
7  源泉税納付
従業員・専従者給与を払っている方
 7月10日まで
  • 1月~6月分源泉所得税納付期限(納期の特例を受けている人のみ)
 7月31日まで
  • 所得税予定納税 第1期 納付期限
  • 固定資産税 第2期 納付期限
8  8月31日まで
  • 住民税 第2期 納付期限
  • 消費税 中間申告 納付期限(年2回の場合)
  • 事業税 第1期 納付期限
10  10月31日まで
  • 所得税予定納税 第2期 納付期限
11  11月30日まで
  • 所得税予定納税 第2期 納付期限
  • 事業税 第2期 納付期限
12  年末調整
(12月の給与確定次第)
従業員・専従者へ給与を払っている方
 12月31日まで
  • 消費税関係届出書提出期限(例:簡易課税制度選択届出書等)
  • 固定資産税 第3期 納付期限

※納税期限が土日祝日の場合、期限日が変更となる場合があります。各年の期日については、税務署・各市町村・都道府県の案内をご確認ください。

記帳から確定申告までの流れ

決算のしかた(青色申告編)

日々の取引を記帳する

申告のためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を帳簿に記録(記帳)し、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存する必要があります。原則、収入や経費は現金を支払った日ではなく、売上が発生した日や、購入などを行った日に計上します。これを「発生主義」といいます。
実際に現金を支払った日で計上する「現金主義」による取引を行うには、事前に税務署への届出が必要です。
個人事業の帳簿付けの方法を申告方法別にみると以下のように分かれます。

白色申告 青色10万円控除 青色10万円控除
(現金主義)
青色55万円控除 青色65万円控除
会計原則
(収入費用計上のタイミング)
発生主義 発生主義 現金主義 発生主義 発生主義
記帳方法 単式簿記 単式簿記 単式簿記 複式簿記 複式簿記

青色申告特別控除には、10万円と55万円または65万円控除の3種類の特別控除が設けられています。55万円または65万円の特別控除を受けるためには「正規の簿記」の原則により作成された損益計算書と貸借対照表を確定申告書に添付し、確定申告書を提出期限までに提出することが要件となっています。
また、65万円の特別控除を受けるためには下記のいずれかの条件を満たす必要があります。

なお、55万円または、65万円の特別控除を受けない青色申告者は、不動産所得、事業所得、山林所得を通じて最高10万円を控除することができます。
※55万円または、65万円の青色申告特別控除は事業的規模でない不動産の貸付けによる不動産所得にも原則として適用されません。
※優良な電子帳簿とは下記の電子帳簿保存法に規定する要件を満たした電子帳簿をいいます。

  • 訂正等の履歴が残ること
  • 帳簿間で相互関連性があること
  • 検索機能があること
  • モニター、説明書などを備え付けること

青色申告で55万円控除を受けるためには正規の簿記による記帳が必要です。白色申告と青色申告の10万円控除では、簡易的な方法による記帳が認められています。

決算を行う

1.売上(収入)の整理

1月~12月に収入が確定した金額をまとめます。

(1)未収金の計上をお忘れなく!

掛け売りなどのように、まだ実際に代金を受け取っていない売り上げでも本年中に売り上げたものは、すべて本年分の収入金額になります。
※前年末に未収入金として収入金額に含めた金額を、本年の入金の際に売上として記帳している場合には、その金額は本年分の収入金額から除外します。

(2)家事消費の計上も忘れずに!

商品などを家事の為に消費や贈与した場合に通常の販売価格を計上します。
但し、販売価格のおおむね70%の金額と仕入金額(仕入価格が通常販売価格のおおむね70%よりも低いときは、通常の販売価格の70%の金額)のいずれか多い方の金額を収入金額とすることができます。

家事消費の計上金額
①家事消費・贈与等の場合
A.仕入価格、B.通常の販売価額×70%
AとBのうち、いずれか多い方の金額
②低額譲渡の場合
通常の販売価額×70%相当

(3)助成金の確認をしましょう!

国や地方公共団体から支給された助成金や補助金で事業所得として課税対象となる収入がある場合は、「雑収入」に計上します。

2.売上原価を計算

売上原価=期首棚卸+本年中の仕入額-期末棚卸

期首棚卸高=昨年の期末棚卸高となります

期末棚卸高は12月31日現在の商品などを棚卸して計算します。
在庫数量に単価(年末に一番近い時期に仕入れた時の単価)をかけて棚卸高を計算するなどします。(最終仕入原価法)
本年分の仕入には、掛け買いなどまだ支払が終わっていないものも含まれます。

3.必要経費の整理

必要経費は、本年中の収入を得るために必要な売上原価や販売費など科目ごとに経費を分けて合計します。

(1)事業費、家計費を分けましょう!

家事分の費用は必要経費になりません。必要経費の中に下記のような費用が含まれている場合には、これらの金額を除外しましょう。
①衣料費や食費などの家事上の費用
②店舗兼住宅について支払った地代家賃や火災保険料、固定資産税、修繕費などのうち住宅部分に該当する費用
③水道料や電気料金、燃料費などに含まれている家事分の費用
②、③のような費用を家事関連費といいます。家事関連費の家事分と事業分との区分は、使用面積や、保険金額、消灯時間などの適切な基準を設定し按分して計算します。 ※床面積、伝統数、車の場合は走行距離や使用日数などで按分します。

業務用の必要経費 = 支出金額 × 

(2)減価償却費の計算をしましょう!

事業用として使うパソコンや自動車、建物などは支払った金額がそのまま本年分の必要経費になるのではなく、資産の種類、構造、用途別に耐用年数を基として計算した本年分の期間に対応する減価償却費が必要経費となります。
また、減価償却費に該当する資産の中でも、取得価格が10万円未満(もしくは使用可能な期間が1年未満)であれば全額経費として計上することができます。

取得価額 原則 従業員1,000人以下
の青色申告者
10万円未満 全額経費にできる 取得価額の合計が年間300万円に達するまで全額経費にできる
※明細書の保管が必要
10万円以上
20万円未満
3分の1ずつ3年間にわたって経費にできる
20万円以上
30万円未満
減価償却をする
30万円以上 減価償却をする
購入時期 計算方法
旧定額法 平成19年3月31日以前 (取得価額-残存価額(10%)) × 償却率
定額法 平成19年4月1日以降 取得価額 × 償却率

※主な減価償却資産の耐用年数表はこちら
※償却資産の償却率表はこちら

(3)配偶者、家族へ支払った分の給与を経費計上しましょう!

申告者の事業を手伝っている配偶者や家族を専従者といい、その専従者に支払われた給与は必要経費に計上できます。青色申告者と白色申告者で控除できる金額は下記の通りです。

青色申告者 白色申告者
「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載した金額の範囲内 配偶者…86万円、配偶者以外…1人50万円まで
※但し、事業所得÷(専従者の数+1)で求められた金額といずれか低い方

※次の要件を満たす必要があります。

  • 申告者と生計を一にする配偶者、その他の親族であること
  • その年の12月31日現在で15歳以上であること
  • 原則としてその年の6ヶ月を超える期間その申告者の営む事業に従事していること

※専従者になると「配偶者控除」、「扶養控除」が受けられなくなります。

4.青色申告特別控除を差し引く

青色申告では帳簿の付け方の難易度に応じて受けられる特別控除額が異なります。

項目 内容
青色申告
特別控除
現金出納帳、固定資産台帳などの帳簿付けができる人
→10万円の特別控除
複式簿記による帳簿作成、確定申告時に貸借対照表と損益計算書が作成できる人
→55万円の特別控除
55万円の特別控除の要件に加え、e-taxによる電子申告又は、電子帳簿保存ができる人
→65万円の特別控除

5.決算書を作成

上記の計算した数字を基に収支内訳書又は、青色申告決算書を作成します。

収支内訳書
(一般) (不動産所得用) (農業所得用)
青色申告決算書
(一般) (不動産所得用) (農業所得用)

事業以外の収入を計算する

確定申告では事業所得だけでなく、事業以外の所得も申告する必要があります。
所得の種類と計算の仕方については、下記の通りです。

項目 内容 詳細
1事業所得
製造業、卸売業、小売業、サービス業、建設業、農業、自由職業などの自営業による所得
例)総合課税:飲食店などの経営者
  分離課税:事業規模で行う株式の売却、先物取引
総収入金額-必要経費
国税庁
2不動産所得
土地や建物などの貸付から生ずる所得(事業所得、譲渡所得に該当するものを除く)
例)マンション、アパートの賃貸収入、事業用の土地の貸付
総収入金額-必要経費
国税庁
3利子所得
公社債や預貯金の利子、公社債投資信託の収益の分配など
例)銀行の利子、郵便局の利息、国債の利子
収入金額=所得
国税庁
4配当所得
法人(公益法人等を除く)から受ける利益の配当や、投資信託(公社債投資信託等を除く)等の収益の分配による所得
例)株の配当
収入金額-株式などを取得するための負債の利子
国税庁
5給与所得
勤務先から受ける給料、賞与など
収入金額-給与所得控除額
国税庁
6雑所得
他の所得に当てはまらない所得
例)総合課税:公的年金等・個人年金の受給、原稿料、講演料、副業、仮想通貨
  分離課税:先物取引、FX
(公的年金等の収入金額-公的年金等控除額)+(公的年金等以外の総収入金額-必要経費)
国税庁
7譲渡所得
資産の譲渡による所得
例)総合課税:ゴルフ会員権、骨董品、金地金等の売却、個人事業主の事業用資産の売却
  分離課税:土地の売却、建物の売却、株式の売却
総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
国税庁
8一時所得
生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金などの臨時・偶発的なもので対価性のない所得
例)競馬の払戻金(通常)、満期保険金、懸賞金など
総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)
国税庁
9山林所得
所有期間が5年を超える山林の伐採して譲渡したことによる所得(分離課税)
総収入金額-必要経費-特別控除額(通常50万円)
国税庁
10退職所得
退職によって一時に受ける給与やこれらの性質を有する給与
例)分離課税:退職金
(収入金額-退職所得控除額)×1/2
国税庁

納税額を計算する

総所得金額等から所得控除を差し引くと課税総所得金額が計算できます。
1,000円未満を切り捨てた課税総所得金額に税率を掛けて所得税額を計算します。

課税される所得金額(1,000円未満切り捨て) 税率 控除額
1,000円 ~ 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 ~ 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 ~ 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 ~ 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 ~ 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 ~ 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

税額控除を調べる

税金額から差し引けるものを税額控除といいます。

確定申告書の提出

国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」から申告書の作成・電子送信が便利です。

確定申告書等作成コーナーからe-Taxで確定申告する方法
確定申告書等作成コーナーから申告書を作成して書面提出する方法
紙で申告した方もe-Taxで所得税申告書等のPDFファイルを取得できることをご存知ですか?

富士吉田商工会議所の確定申告相談

富士吉田商工会議所では、個人事業主の方を対象に日程で確定申告相談会を実施しています。
必要資料をご持参の上、相談会へお越し下さい。

期間:毎年2月15日・16日、3月上旬~3月14日まで平日10時~12時、13時~16時

※2月下旬の3日間、税理士による無料相談も実施しています。

必要なもの

  • 税務署からの配布書類(納付書等)
  • 申告者の国民健康保険料等の金額がわかるもの
  • 中途起業の方は前職の源泉徴収票
  • 国民年金保険料控除証明書(国民年金加入者)
  • 保険料控除関係書類(生命保険・地震保険・小規模企業共済等控除証明書)
  • 配偶者、扶養者の生年月日・マイナンバーがわかるもの
  • 配偶者に収入がある場合の収入金額がわかるもの(配偶者の源泉徴収票等)
  • 住宅借入金の年末残高証明書(控除を受ける方のみ)
  • その他寄付金等の控除関係書類
  • 医療費控除を受けられる方は医療費控除の明細書または医療費のお知らせ
  • 複数の収入がある方の場合、支払調書や給与の源泉徴収票等
  • 本人のマイナンバーカードまたは番号確認書類+身元確認書類
  • マイナンバーカードの暗証番号(数字4桁、6桁~16桁の英数字)

※医療費控除を受ける方は1月~12月までに支払った医療費の合計額を計算し、明細書を作成するか、医療費のお知らせをお持ちください

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確定申告に関する各種書式・手引き

下記の国税庁確定申告特集ページ内よりダウンロードいただけます。